「東京の味噌」
トップページ 組合概要 東京都味噌工業協同組合 東京の味噌屋 お便り・お問い合せ
 
東京味噌の旅 →「東京味噌の旅」TOPへ →「店」ページTOPへ戻る
みの家 桜なべの老舗

家族で守る伝統の味

江東区森下。下町・深川の面影を今も残すこの一帯は、かつて東京大空襲の被害を受け、一軒残らず焼け落ちたという歴史を持っています。ここ『みの家』の店舗も、戦後復興の中、昭和29年に建てられました。「当時は木場の職人が多く出入りしていたらしく、安い材木を使うと値踏みされるというので、祖父が気張っていい材料を集めたそうです。 "江戸っ子の心意気"のおかげで、今もこうして同じ建物で店ができるんですから、ありがたいですよね」とは、当代店主・永瀬守さん。復興直後は「コロッケなどを売っていた」そうですが、現在は先代を含む家族数人とわずか1人の職人だけで、馬肉の老舗という暖簾を守っています。

中ではどんなおいしいものが食べられるのか、わくわくさせる店構えと主人の永瀬さん。
座敷の奥には風情のある坪庭。風鈴の音に耳を傾けながらいただく夏の鍋もオツですよ。

馬肉本来の味を堪能する

少ない人数で店を切り盛りするため、品数は最小限。「余計な品を出しておろそかになるよりは、鍋と刺身に絞り込んで」営業を続ける『みの家』自慢の鍋を注文すると、きれいな赤身肉にぽってりと盛られた味噌が印象的な『桜なべ』が運ばれてきました。馬肉と味噌の相性について尋ねると、「馬肉は油分が少なくて、さっぱりした味わいが特徴。仮に牛の油で調理したら、プロでも牛肉と間違うほど淡白な味なんです。だからコクのある味噌との相性は抜群ですよ」。なるほど。念のために言うと、『みの家』で言う"刺身"とは馬刺しのこと。新鮮な肉を使っているため臭味はまったくなく、薬味もニンニクではなくショウガ。こちらもなるほどな味です。馬肉は臭いと思っている方、ぜひ一度お試しを。

品札も一枚いちまい職人の手作り。「こういう古いものは、後継者が少ないからねぇ」と、永瀬さんちょっぴり不安。
こちらが『みの家』の桜なべ。生玉子で頂けば、お櫃(ひつ)で出されるご飯もペロリです

味噌は生きている

さて、ようやく味噌のお話。『みの家』の味噌は、江戸甘のブレンドもの。管理を任されている永瀬さんは、毎日、微妙に変わる味噌の状態を見逃しません。「味噌は生きている。工業製品ではないし同じものはないと考え、日々調整しています」。また、「他の味噌を食べてこれは○○を使ってるね、なんてことは分からないけど、うちの味噌に関しては100%自信がありますよ」とも。『みの家』こだわりの味には、お客様からの質問も多いそう。ただし、残念なことに江戸甘味噌を知っている人はいないとか…。永瀬さんいわく「食べるという実体験が大事。知識だけじゃなく実際に味わって、東京の味噌の特徴や面白さを感じて欲しい」と、今後は江戸甘サポーターとして、告知にも一役買って下さるとか。足を運ばれる方は、ぜひ味噌について聞いてみて!

『みの家』特製の味噌。"照り"が美しいですね。決して沸かさず、じっくりと合わせています。
『みの家』の味は我が家の味。昔からナスに大根、コンニャクなど田楽で甘味噌を楽しんでいますよ。


みの家

〒135-0004 東京都江東区森下2-19-9
TEL. 03-3631-8298
営業時間:12:00〜14:00/16:00〜21:00
日祝12:00〜21:00
定休日:木(5〜10月第3水休)
〈旅のおまけ〉
下足札も職人の手仕事によるもの。色に違いがあるわけは…、時々、持ち帰ってしまうお客様がいて作り足しているからだとか。お店が困りますから、取るのは写真だけにしてくださいね。



Copyright ©2004-2005 Tokyo Miso Coop. All rights reserved.
「店」=東京の味噌と出会える店 「料」=東京の味噌料理塾 「学」=東京の味噌を知る 「特」=東京の特別な味 江戸甘味噌 「店」=東京の味噌と出会える店 「料」=東京の味噌 料理塾 「学」=東京の味噌を知る 「特」=東京の特別な味 江戸甘味噌